事業再生におけるリスケ(リスケジュール)とは?【進め方やタイミングについて解説】

「リスケ(リスケジュール)とは何か?」「事業再生とどんな関係があるのか」と疑問に思っている方がいると思います。

この記事では、「リスケとは」「リスケの進め方」「リスケを考えるタイミング」について解説します。

リスケは返済が猶予されるため、事業者の資金繰りは改善されますが、同時にデメリットもあるので、今回の内容をしっかりと把握した上で、リスケを検討しましょう。

目次
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事業再生におけるリスケ(リスケジュール)とは?

ミーティング

事業再生は、資金繰りが困難となった企業が、事業の再建に向けた時間的な猶予を得ることができるようにするための手段です。

その中でも「リスケ」とは、銀行等の金融機関と交渉して、一定期間、元金返済を止めるか減額してもらい、返済負担を軽減することです。

リスケを行うことで、企業は資金繰りの改善を図ることができます。ただし、リスケは倒産前の最後の手段でもあり、リスケされる期間には、リストラを含めた見直しが必要です。

主にリスケは、リスケ期間内に黒字に転換し、返済を10年~20年程度で完了できる場合に用いられます。

リスケを考えるタイミングはいつ?

ステップ

リスケを考えるタイミングは、企業が資金繰りに困難を感じ始めたときです。

具体的には、以下のような状況が挙げられます。

リスケを考えるタイミング
  • 返済が困難になったとき
  • 業績の緩やかな下降が止まらない
  • 借入金の返済が滞り始めたとき
  • 新規融資が受けられないとき
  • 他の銀行から融資を断られたとき
  • 景気後退によって売上が低迷しているとき

上記に挙げた状況が1つでも当てはまるのであれば、リスケを検討しましょう。

リスケされる期間には、リストラを含めた見直しが必要になります。また、1年後はもちろん、3年後、5年後に事業をどのように立て直しするか、またそれを実行させるための計画が必要です。

銀行がリスケを受け入れてくれれば、銀行への返済分だけでも資金繰りは楽になり、立て直しのための時間的猶予も得ることができます。

リスケを考える際には、専門家のアドバイスを受けることも考えて計画することが重要です。

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事業再生におけるリスケの進め方

コンサルティング

リスケは、企業の資金繰りの改善を目的にした、事業再生の内の一つです。

リスケを進め方は、以下の通りです。

  1. 事業計画を作成する
  2. 金融機関と交渉する
  3. 合意後に事業計画を実行する

ステップ①:事業計画を作成する

まず始めに、リスケを行う場合、事業計画書の作成が必要になります。事業計画書は、経営を改善するために作成するもので、事業再生計画書や経営再建計画書とも呼ばれます。

一般的には、以下のような資料を作成して提出する必要があります。

必要な提出資料
  1. 条件変更依頼書
  2. 経営改善計画書(事業計画書)
  3. 5カ年損益計画書
  4. 資金繰り表(リスケジュール前、リスケジュール後)
  5. 金融機関別取引明細書

特に、経営改善計画書には、以下のような内容が多く含まれています。

経営改善計画書
  1. 条件変更依頼書
  2. 経営改善計画書(事業計画書)
  3. 5カ年損益計画書
  4. 資金繰り表(リスケジュール前、リスケジュール後)
  5. 金融機関別取引明細書

以上のような資料を自力で作成するのが難しい場合は、顧問の税理士や資金調達、事業再生の専門家に相談することをおすすめします。

ステップ②:金融機関と交渉する

次に、金融機関との交渉は、リスケ(返済計画の見直し)を成功させるために非常に重要です。

金融機関と交渉するにおける主なポイントは以下の通りです。

金融機関と交渉する際のポイント
  1. 必要な情報を伝える
  2. 金融機関との信頼関係の構築する
  3. 具体的な経営改善計画を作成する
  4. 適切な金融機関の選択する
  5. リスケ後は新規融資が難しくなる可能性がある

以上のポイントを意識して、事業計画や財務状況を明確にし、信頼関係を築くことで、金融機関との交渉を円滑に進めることができます。

ステップ③:合意後に事業計画を実行する

金融機関との交渉で合意に至った場合、事業計画を実行する上で以下のポイントに注意しましょう。

事業計画を実行する際の注意点
  • 経営改善計画の実行し、売上増加、コスト削減の改善、返済条件の緩和など金融支援の更改を行う
  • 財務状況を常にモニタリングし、実際の収支状況と比較しながら、適切な対応を行う
  • 金融機関とのコミュニケーション密接にして、事業計画の進捗状況や財務状況などを定期的に報告する

リスケ後は新規融資が難しくなる可能性があるため、その点を考慮した上で、事業計画を実行する必要があります。

ただし、リスケした返済が完済されていない場合でも、月々の返済を再開するところにまで事業を改善させることができれば、新規融資を受けてもらえる可能性があります。

金融機関との交渉で合意に至った場合は、合意した条件を守った上で、信用回復に努めることが重要です。

事業再生におけるリスケのメリットとデメリット

メリット

事業再生におけるリスケには、それぞれメリットとデメリットがあります。

事業再生におけるリスケのメリット

事業再生におけるリスケの最大のメリットは、「資金繰りに余裕が生まれること」です。

つまり、キャッシュフロー(事業におけるお金の流れ)が安定して資金繰りが安定します。

例えば、月々の元金返済が100万円だったところ、リスケジュールをすることによって、最大2年間「100万円×24ヶ月=2,400万円」の元金返済が0円になります。

リスケによって、借入金の元金返済を一時的に止めることができ、資金繰りが改善され、事業運営を安定させることが可能になります。また、リスケにより返済期間が延長される場合もあります。

事業再生におけるリスケのデメリット

一方、リスケには「新規融資が受けられなくなる」デメリットがあります。

企業が安易にリスケの判断をできない理由は、新規融資なしで資金繰りを回さなければならないため、慎重な判断が求められからです。

また、リスケした場合、元金返済が延長されるため、金利負担が増加する可能性もあります。

事業再生におけるリスケには、資金繰りに余裕が生まれる反面、融資が受けられなくなるデメリットがあるため、元金返済を一時的に止めることができるからといって、安易なリスケ判断は避けましょう。

リスケは、弁護士やや公認会計士などの事業再生の専門家に相談した上で判断しましょう。

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知っておこう:特例リスケジュールとは?

インタビュー

「特例リスケジュール」とは、一定の条件を満たした中小企業が、金融機関との交渉により、元金返済の猶予や減額などの特別な措置を受けることができる制度のことです。

特例リスケジュール制度は、中小企業が経済的な困難に直面した場合に、返済負担を軽減し、事業再建の時間的猶予を得ることができるようにするために設けられています。

ただし、特例リスケジュール制度を利用するためには、一定の基準を満たす必要があります。

特例リスケジュールの基準
  • 対象は中小企業者であること
  • 将来的に借入金の返済が可能であること
  • 経営改善計画の策定し、経営改革を進めていること

特例リスケジュールの注意点は、以下の通りです。

特例リスケジュールの注意点
  • 金融機関との交渉する
  • 正確な情報を開示する
  • 専門家のアドバイスを受けた上で、適切な経営改善計画する
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