個人事業主でもM&Aは可能?【失敗しないための方法についても解説】

M&Aは一般的には大企業や中小企業の間で行われるものと考えられがちですが、個人事業主でもM&Aは可能なのでしょうか?

結論から言うと、 個人事業主でもM&Aは可能です。 しかし、その過程は複雑であり、成功するためには慎重な計画と実行が必要です。

この記事では、個人事業主がM&Aを行う際の具体的な方法や注意点について詳しく解説します。

目次
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個人事業主でもM&Aは可能?

個人事業主でもM&Aは可能?

結論から言うと、個人事業主でもM&A(企業の合併や買収)は可能です。個人事業主がM&Aを行う場合、通常は「事業譲渡」という形で行います。

これは、個人事業主が発行している株式を譲渡するのではなく、事業そのものを譲渡する方法です。

以降の内容では、「個人事業主がM&Aで失敗しないためのポイント」や「個人事業主のM&Aの失敗事例」について紹介していきます。

個人事業主がM&Aで失敗しないためのポイント

個人事業主がM&Aで失敗しないためのポイント

個人事業主がM&Aを行う際に失敗しないためのポイントは以下の通りです。

  1. 事業理解を深める
  2. 従業員との関係を構築する
  3. 財務状況の確認する
  4. デューディリジェンスを実施する
  5. 信頼できるM&A仲介会社の選択する

事業理解を深める

個人事業主として活動していると、規模拡大や事業承継、資本調達のためにM&Aを検討することがあります。しかし、M&Aの道は簡単ではありません。成功するための第一歩として、自らの事業やターゲットとなる事業の深い理解が必要とされます。

そのため、M&Aの成功に向けて、最も基本的かつ重要なステップは、自社と対象となる事業の完璧な理解を持つことです。

事業理解を深めることの重要性は以下の通りです。

  • 適切な価値評価の基盤
  • スムーズな統合過程の確保
  • 事業の持続性と成長への展望

事業理解を深めることで、正確な事業価値の評価や適切な交渉が可能となり、過大評価や過小評価による失敗を防ぐことができます。さらに、両者の事業内容や業務フローを理解していると、統合後の業務の連携や組織作りがスムーズに行えるため、M&A後の混乱を最小限に抑えることができます。

そして、深い事業理解は統合後の事業の方向性や戦略の策定にも役立ち、事業の持続性を確保し、さらなる成長への道を切り開くことができます。

従業員との関係を構築する

M&Aを検討する際、経営者や財務面だけでなく、従業員との関係性も非常に重要な要素となります。特に個人事業主の場合、従業員との距離が近いため、M&Aに対する彼らの反応や意見は事業の継続性に大きく影響します

M&Aを成功させるためには、従業員との信頼関係を維持し、統合や変更についてのコミュニケーションを適切に行うことが不可欠です。

従業員との良好な関係がM&A成功の鍵となる理由は、以下の通りです。

  • 従業員のモチベーション維持
  • 経営変更に伴う不安の緩和
  • 組織の統一性と一体感の確保

従業員のモチベーションを維持することは、事業の継続的な成長や新しい環境への適応を促進します。また、M&Aが発表されると従業員には不安や疑問が生まれることが一般的です。

この不安を緩和し、従業員にM&Aの意義や将来のビジョンを理解してもらうことで、組織としての統一性や一体感を確保できます。さらに、信頼関係のもとでのオープンなコミュニケーションは、統合や変更が円滑に進められるだけでなく、新たな事業展開や方針変更への迅速な対応を可能にします。

財務状況の確認する

個人事業主がM&Aを検討する際、事業の内容や将来性はもちろんのこと、財務状況の確認も重要なステップです。財務状況が健全でないと、M&A後の経営が困難になる可能性があります。

M&Aを考慮する前に、事業の財務状況を詳細に確認し、必要ならば改善することがM&A成功の鍵です。

財務状況の確認がM&Aの成功に必須である理由は以下の通りです。

  • 事業価値の適切な評価を行うため
  • M&A後の事業運営資金を確保するため
  • リスクを予測し、適切な対策を講じるため

事業の価値を適切に評価することで、売却価格や譲渡条件を適切に設定することができます。また、財務状況の確認を通じて、M&A後の資金繰りや投資計画を立てることも可能となります。さらに、負債や未払いのリスクを事前に把握し、これを適切に対処することで、M&Aの失敗リスクを低減することができます。

デューディリジェンスを実施する

M&Aの成功において、事前調査や検証作業は非常に重要な要素となります。特に個人事業主の場合、事業の特性や運営方法が大きく異なることも多いため、デューディリジェンスの適切な実施が求められます。

デューディリジェンスを徹底的に実施することで、未知のリスクを明らかにし、その上で適切な評価や対策を行うことがM&Aの成功へと繋がります。

デューディリジェンスを実施する理由とその重要性は以下の通りです。

  • 事業の実態やリスクを明確にする
  • 資産や負債、契約内容などの詳細情報を正確に把握するため
  • 将来的なシナジー効果や成長性を評価するため

事業の実態や存在するリスクを正確に理解することは、適切な価格設定や契約条件の交渉において極めて重要です。

また、資産や負債の詳細、そして重要な契約内容や取引先との関係等を事前に詳しく知ることで、M&A後の運営においてもスムーズな移行を図ることが可能となります。さらに、デューディリジェンスを通じて事業の成長性やシナジー効果を正確に評価することで、M&Aの将来的な成功を見越すことができます。

信頼できるM&A仲介会社の選択する

M&Aの過程は複雑で、特に個人事業主の場合、自身が初めて経験する場面が多いと予想されます。そこで、信頼できるM&A仲介会社の選択は、M&Aを成功に導くための重要なステップとなります。

信頼できるM&A仲介会社を選択することで、適切な取引先を紹介してもらい、M&Aのプロセスをスムーズに進めることができます。

M&A仲介会社の選ぶ重要性は、以下の通りです。

  • 専門的な知識やネットワークを持つ仲介会社は、適切な取引先の紹介や交渉をサポートしてくれる
  • M&Aのプロセスに関するアドバイスや指導を受けることができる
  • トラブル発生時の対応や、取引後のサポートも期待できる

M&Aの過程での多くの局面で、仲介会社の専門知識や経験が大きな助けとなります。

特に、取引先の紹介や、価格交渉の際には、仲介会社のネットワークや交渉力が大きく影響することが予想されます。さらに、取引が完了した後も、トラブルが発生した際の対応や、新たな事業展開のアドバイスなど、仲介会社のサポートが必要となる場面が多くあります。

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個人事業主のM&Aの失敗事例

個人事業主のM&Aの失敗事例

個人事業主がM&Aを行う際の失敗事例として、以下のようなケースがあります。

  1. ネイルサロンを譲受した女性の事例
  2. 外構工事の施工会社を譲受した男性の事例
  3. 外構工事の施工会社を譲受した男性の事例

ネイルサロンを譲受した女性の事例

この事例では、ネイルサロンを譲受した女性が、最近導入したネイルの最新機器がリース契約となっており、多額の簿外債務があることが発覚したため、思わぬ損失を被ることになりました。

この失敗の原因は、簿外債務の存在を知らず、財務状況をよく確認しなかった点にあります。

外構工事の施工会社を譲受した男性の事例

この事例では、男性は大手企業のノウハウを持ち、順調に経営が進むと思われたが、従業員が次々に退職してしまい、事業継続が困難となった。

この失敗の原因は、「買い手が対象会社の従業員との信頼関係を構築できていなかったこと」です。

レンタルスペースを譲受した男性の事例

この事例では、男性はレンタルスペースであれば経営も簡単ではないかと考えていたが、特殊な事業形態を上手く引き継げず、顧客を失ってしまった。この失敗の原因は、「対象会社のビジネスフローに対する理解不足」です。

これらの事例から学べることは、M&Aを行う際には財務状況や従業員との関係、ビジネスフローなどについて十分な理解と準備が必要であるということです。

個人事業主がM&Aで失敗する理由

個人事業主がM&Aで失敗する理由

個人事業主がM&Aに失敗する理由は多岐にわたりますが、以下にいくつかの主な理由を挙げられます。

  1. 経営者視点になれなかった
  2. 買収先のことをよく理解していなかった
  3. 従業員から信頼されていなかった
  4. 取引先の引継ぎに失敗した

経営者視点になれなかった

個人がM&Aで失敗する原因の一つが、経営者視点に立てないことです。

サラリーマンと経営者では、経営に関わる数字や会社組織に対する考え方に大きな違いがあります。サラリーマン思考を捨てて経営者思考にシフトできるかが、個人M&Aを成功させるための鍵となります。

買収先のことをよく理解していなかった

買収先の経営理念や社風などを理解しないまま新経営者として会社を変えようとしても、従業員がついていかない場合もあるでしょう。

顧客についても同様です。結果的に思い描いていた理想の経営と現実のズレが生じる恐れがあります。

従業員から信頼されていなかった

新社長が、仮に誰しもが知る大企業で役員まで上り詰めたとしても、前社長と比較して「やっぱり俺たちに合わない」「中小企業の泥臭さがわかっていない」と思われたら、現場は一気に白けていきます。

簿外債務に気付けない

「簿外債務」とは、貸借対照表に計上されていない債務を示します。M&Aにおいてよく登場する「簿外債務」は以下の4つです。

  • 退職給付引当金
  • リース債務
  • 債務保証損失引当金
  • 未払賞与

取引先の引継ぎに失敗した

会社や店を経営するにあたって、取引先との関係は大切です。

取引先への経営者変更の連絡や挨拶が遅れたなどが原因で、取引先の引き継ぎに失敗した結果、割安だった仕入値が高くなって買収時に想定していた利益が出ないことが考えられます。

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個人事業主のM&Aの注意点

個人事業主のM&Aの注意点

個人事業主がM&Aを行う際の注意点としては以下のようなものがあります。

  1. 後継者のモチベーション維持や適切な教育が重要
  2. 資金の準備が難しい場合が多い
  3. 事業の価値算定を適切に行う

後継者のモチベーション維持や適切な教育が重要

M&Aを行う際、多くの個人事業主が抱える懸念の一つが、事業の後継者に関する問題です。特に、後継者のモチベーションの維持や適切な教育が、M&Aの成功を左右する重要な要素となっています。

後継者のモチベーションや教育の重要性は以下の通りです。

後継者のモチベーションや教育の重要性

  • モチベーションの高い後継者は、事業を継続し発展させるエネルギーを持っている
  • 適切な教育を受けた後継者は、新しい環境でも事業を円滑に運営することができる
  • 後継者のモチベーションや教育は、従業員や取引先からの信頼を維持・拡大する要因となる

M&Aの後の事業継承は、多くのチャレンジを伴います。その中でも、後継者のモチベーションや適切な教育が、事業の継続と成長の鍵となります。

高いモチベーションを持つ後継者は、新たな環境やチャレンジに対して積極的に取り組むことができ、その結果、事業の持続的な発展を促すことができます。また、適切な教育を受けた後継者は、事業の運営やマネジメントに関する知識や技術を持つため、事業の継続や成長をスムーズに進めることができます。

資金の準備が難しい場合が多い

M&Aを進めるにあたり、資金の準備は避けて通れないステップです。特に、個人事業主の場合、資金の確保が困難になる場合が少なくありません。

個人事業主がM&Aを行う際は、資金の確保や調達の方法に注意を払う必要があり、事前の計画や複数の資金調達ルートの検討が求められることが多いです。

資金の準備が難しい理由は以下のとおりです。

資金の準備が難しい理由

  • 個人事業主の場合、大手企業と比べて信用力が低く、銀行からの融資が難しい
  • 事業の規模が小さいため、必要となる資金量の見積もりが難しい
  • M&Aの経験が少ないため、隠れたコストや突発的な出費を見落としてしまう可能性がある

M&Aのプロセス中には予期せぬ出費が発生することも珍しくありません。資金の調達が難しい場合、最初から複数の資金調達ルートを検討し、計画的に行動することが大切です。

例えば、銀行融資だけに頼らず、ベンチャーキャピタルや投資家からの資金調達も視野に入れるといったアプローチが考えられます。また、M&Aに関連するコストを適切に見積もり、余裕を持った資金計画を立てることで、資金の不足や急な出費によるピンチを回避することができます。

事業の価値算定を適切に行う

M&Aの過程において、事業の価値をどのように算定するかは非常に重要なステップです。特に、個人事業主の場合、事業の真の価値を適切に把握していないと、適正な価格での取引が難しくなる可能性があります。

個人事業主がM&Aを行う際には、第三者の視点を取り入れ、適切な方法で事業の価値を算定することが重要です。

事業の価値算定が適切でないと、以下のような問題が生じる可能性があります。

事業の価値算定の問題点

  • 買い手から見て価格が高すぎると判断され、取引が成立しない
  • 逆に、事業の真の価値を低く見積もり、損失を被る可能性がある
  • 価値算定の根拠が不明確なため、交渉時に不利になる

個人事業主は、多くの場合、自身の事業に強い愛着を持っています。この感情が価値算定に影響すると、適切な価格を見定めるのが難しくなります。

そのため、専門家や外部のコンサルタントの意見を取り入れることで、客観的な視点からの評価を得ることが推奨されます。また、同業他社の取引実績や、業界の動向を参考にすることで、市場価格を基にした適切な価値算定を目指すことができます。

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