スモールPMIのためのビジネスデューデリジェンス(ビジネスDD)⑥ SWOT分析と今後の方向性

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SWOT分析と今後の方向性

●SWOT分析

財務分析や内部環境分析を踏まえ、SWOT分析で整理する。SWOT分析というのは、Strength(強み)、Weakness(弱み)、Opportunity(機会)、Threat(脅威)の頭文字を取ったものである。

強み・弱みは、自社での内部環境であり、自社でコントロール可能な内容を示す。一方で機会・脅威は、その企業の外部環境であり、自社でコントロールできない内容である。

つまり外部環境は、脅威のように自社に不都合のものであっても受け入れざるを得ないものであり、それを踏まえて戦略・戦術を構築することが必要になる。

分析の最後にこのSWOT分析で整理する意義は、これら経営全体の情報を踏まえ、広い視野で総合的かつ本質的な戦略・戦術を構築することである。

すべての分析結果を一覧できるように整理して見える化することにより、全要素を同時に思考できるようにして、偏りのない、小手先の施策ではない、全体構成としての戦略構築と、それを踏まえた各要素の詳細は戦術構築を行うことができるのである。

●今後の方向性

SWOT分析で、自社の強みと問題点をあぶり出した後は、これらの情報を踏まえて「今後の方向性」を構築する。

例えば、強みと弱みが以下のとおりであるとすると、以下のような「今後の方向性」が描ける。

<強み>

【経営・組織、人事労務】

  • 社長の料理の高いスキル
  • 社歴の長い従業員が多い

【店舗】

  • 創業60年、地元で知名度は高い
  • 店内は広々として清潔感あり
  • 新規で若者客が増加
  • 社長の常連客との関係性

<弱み>

【経営・組織、人事労務】

  • 値付けが原価率を未考慮
  • 商品別・月次売上等の収益管理未実施

【店舗】

  • 若者向けメニューの開発は未実施
  • ネット、SNS未対応
  • 経験と勘での仕入によりロスが発生
  • 席の配置が非効率、少人数客を多く入れられない

<今後の方向性>

(1)原価を踏まえた値付の見直し

(2)若者向けメニューの開発

(3)SNSへの対応

(4)席のレイアウト見直し(少人数客の席を増やす)

(5)月次の収益管理、商品別売上管理の実施

上記の会社は、社長が経験と勘で値付けをしており、その値段は原価を踏まえたものではなかったため、原価率(材料費率)が50%を超えるものが数多くあった。

しかも原材料費が高騰しているため、値付けを見直す必要がある。

消費者は値上げに敏感であるが、周囲の飲食店が一斉に値上げをしているため、この機会を捉え、値上げに踏み込むことは十分に可能と考えられる。

このように、強み・弱み・機会・脅威の全体の情報を確認しながら、経営改善、成長戦略の方向性を構築していく。

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