スモールPMI実践(発展編)(4) 管理統合④ ITシステム

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スモールPMIの管理統合「ITシステム」の概要

スモールPMIの管理統合について、「ITシステム」の概要は以下のとおりである。これらについて詳細を明記する。

【スモールPMIの管理統合「ITシステム」の概要】

  • 管理機能の構成
  • ITシステム① ITシステムに関するリスクへの対応
  • ITシステム② 会計・販売・労務、その他のシステム

管理機能の構成

●譲渡側の経営基盤確立のための管理機能の実態把握

譲受企業・譲渡企業が、グループとして管理機能の連携を図り、経営基盤の整備・強化を行うためには、「人事・会計・法務・IT」など、共通して保有する管理機能の実態を把握することが重要である。

経営実態の把握については、M&Aの検討段階からビジネス・財務デューデリジェンス等を実施して情報の収集を行うなど、早い段階から対応の検討を行うことが望ましいと言える。

しかし、スモールM&Aの場合はデューデリジェンスの実施が難しいことも多いため、その場合は譲受後速やかに簡易デューデリジェンスを実施し、譲渡側の経営者や管理者、従業員へのヒアリングを行うとともに、各種の経営管理の帳票などを精査することで現状を把握し、譲渡側のリスクや課題の洗い出しを行う。

●課題やリスクの整理と行動計画の策定

管理機能の統合において検討すべき項目は多数あるが、多くの中小企業は資金面や人員に制約があり、全てに対応することが困難である。

そのため、譲受企業・譲渡企業それぞれの経営継続の観点から、リスクの大きさや課題の重要性、緊急性、実行可能性などを検証し、優先順位付けを行ったうえで対応することが望ましい。

また、実際の行動計画を策定する際には、「誰が・いつまでに・何を・どのように行うのか」を明確にして、ミーティングなどを通じて定期的に進捗の確認を行い、必要に応じて見直しを行うことが必要である。

ここでは、管理面において主な注意点を「人事・労務分野」「会計・財務分野」「法務分野」「ITシステム分野」の4つの機能別にまとめている。

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ITシステム① ITシステムに関するリスクへの対応

●ITシステムに関するリスクとは

近年のITシステムの発展は目覚ましく、中小企業においてもチャットツールやオンラインファイル共有サービス、会計システムなど多くのITシステムが利用されている。

ここでは、ITシステムを利用する際のリスクについて確認していく。

ITシステムにおけるリスクは、外部の脅威では不正アクセスや不正操作などの攻撃によるものや、自然災害などによるもがある。

内部の脅威としては、情報漏洩などの故意によるものや、誤操作や紛失などによる過失によるものまで多岐にわたる。

●ITシステムのリスク対応

ITシステムのリスク対応も、通常のマネジメントと同様のPDCAサイクルによって対応する。

まずは、現状の譲渡企業、譲受企業それぞれのITシステムを洗い出したうえで評価を行い、今後の情報セキュリティの方針を固めて基準作りを行い、全体として最適なツールを使った運用を検討する(P:計画)。

導入・運用(D:運用)にあたり、物理的な対策だけでなくセキュリティ教育などにより人的な対策も同時に進める。

その後は、定期的に運用面で問題がないか、遵守されているかなどの評価を行う(C:監視)。

続いて評価内容に基づいて、情報セキュリティの方針や運用方法などの改善を行う。

ITシステム② 会計・販売・労務、その他のシステム

●販売管理、労務、その他のシステムの導入

ITツールやITシステムの導入目的と主なツールをまとめたのが以下である。

  • コミュニケーション:チャットツール、Web会議システム、スケジュール管理、タスク・プロジェクト管理ツール・グループウェア
  • バックオフィス:労務・勤怠管理システム、会計システム、電子契約システム、文書管理、その他業務効率化ツール
  • セールス:顧客・販売管理システム、在庫管理システム、営業支援システム、名刺管理ツール、ECサイト
  • サプライチェーン:生産・在庫管理システム、仕入・調達管理システム、品質管理システム、物流管理システム

それぞれの領域において複数のサービスが提供されているで、まずは現在の業務フローの分析を行い、譲渡企業と譲受企業のシステムのメリットとデメリットを比較検討した上で、より優れたシステムに一本化するケースが考えられる。

また将来的なビジネスモデルを検討した上で、システムの拡張性なども考慮しながら、新しいシステムの導入に踏み切るケースもある。

会計システムでは、事業譲渡や合併では、譲渡企業とは別の法人格である譲受企業側に会計に関する手続き等が統合されるため、譲渡企業の会計に関するデータ等を譲受企業側に引き継ぐことが必要であり、数値確定のための仮決算や会計システムへのデータ登録等の手続きが必要である。

一方で株式譲渡の場合は、譲渡側の法人格は維持されるため、譲渡企業単体で従来の会計に関する手続き等は原則としてそのまま維持される。

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