青果物・惣菜の小売・ネット通販/事業再生(事業DD、実行支援)

事業概要

 当社は農家から直接青果物を仕入れ、成果物と惣菜、加工品の販売を行っている。

 販売は、実店舗を1店舗と、カタログ通販、ネット通販である。

 当社で取り扱っている商品はすべて「X手法(仮名)」特別な栽培方法であり、通常販売されている青果物よりも旨味成分があるのが特徴である。

 このX手法にこだわった農作物を作っている農家と直接契約を結び、仕入れている。

 ただし、業績は安定しておらず、営業利益がマイナスの年度もある状況である。   

強み

 当社の強みは、「X手法」にこだわった青果物を販売していることである。

 実店舗では、主に年配の主婦層に一定の固定客がいる。

 また、カタログ通販は数十年継続しており、一定の固定客を持っている。

 そして近年、ネット通販を開始した。ただしまだ多くの顧客を獲得できていない。   

問題点、課題

 まずは「X手法」のブランディングができていないことである。

 当社は、実店舗やカタログ通販、ネット通販のいずれも「X手法」をうたっていないため、X手法の知名度が上がらず、新規顧客を開拓できていない。

 そのため、実店舗、カタログ通販、ネット通販、いずれもX手法を全面にアピールし、顧客に「なぜおいしいのか?」の根拠づけを行い、顧客の満足度向上と納得感向上を図る。  

 2つめは、流通コストが高いことである。

 特別な手法で育てられた青果物であるため、仕入先が全国に広がっているため、仕入コストが高くなるが、そのコストが価格に十分に反映できていない。  

 3つめは、業務フローが未確立であり生産性が低いことである。

 カタログ通販やネット通販での販売業務が煩雑となり、売上が上がるとその分のスタッフの人件費が上がり、十分な利益が獲得できていない。  

 4つめは、店舗の成果物の売上が減少傾向なことである。

 しかし、加工品や総菜の売上は増加傾向であるが、加工品や総菜を強化できていない。   

改善策

 1つめは、徹底して「X手法」のブランディングを行うことである。

 X手法とはどのような製法か、何にこだわっているのか、そしてその手法で作られる青果物は通常のものとどう違うのか。

 これを、実店舗、カタログ通販、ネット通販に徹底してアピールするのである。  

 2つめは、価格の見直しである。

 流通コストが上がるため、値上げをしなければ十分な利益を獲得できない。

 ただし、ただ値上げをすれば、顧客は離れて行ってしまう。

 そのため、ブランディングと合わせて実施することが重要である。  

 3つめは、業務フローを再構築して生産性を高めることである。

 効率的なフローを構築し、フローに合わせて商品の配置を見直す。

 また、効率化を図るために、人気商材を組み合わせたパッケージ化も検討する。  

 そして4つめは、実店舗の惣菜・加工品を強化することである。

 ニーズのあるX手法の成果物の加工品や総菜を増やすことで、顧客数が増加するだけでなく、客単価の増加、利益率の増加が見込める。  

 さらに5つめは、ネット通販の強化である。

 SEO対策や、SNSと連動させ、X手法をアピールしてECサイトに呼び込み、新規顧客を一気に増やす。

  • URLをコピーしました!
目次